形操作課題遂行中のサル外側前頭前野(lPFC)及び背側運動前野(PMd)より多重電極で記録された局所電場電位(LFP)に対し電流源(CSD)解析を行った。lPFCでは深層において第一視覚刺激(サンプル刺激)提示直前に興奮性シナプス入力と考えられる電流の流れ込みが見られた。また、この入力は一過性のα-θ-δ波(13~3Hz)成分と対応していた。一方、PMdでは中層において、第二視覚刺激(テスト刺激)提示期に電流の流れ込みが見られた。この成分は、持続性の低いβ波(<20Hz)であった。本研究の成果は、2つの領野の局所神経回路動態及び機能分担の解明に大きく資するものと言える。
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