霊長類の中隔-海馬系による情報の符号化と読み出し機構を明かにするため、サルを用い直線走路を往復移動中または睡眠中の海馬CA1領域や内側中隔核のニューロン活動を調べた。往復移動中に記録した107個のCA1ニューロン中17個が場所応答したが,徐波帯域で周期性発火するものはなかった.睡眠中に記録した6個のCA1ニューロンは,REM睡眠中に抑制,non-REM睡眠中に促進されたが,周期性発火は示さなかった.内側中隔核から記録した7個のニューロンも周期性発火を示さなかった.以上より,霊長類の中隔-海馬系ではげっ歯類とは異 なる、周期性徐波非依存的な空間情報の符号化・読み出し機構のあることが示唆された。
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