研究課題/領域番号 |
26350995
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研究機関 | 東北福祉大学 |
研究代表者 |
成 烈完 東北福祉大学, 感性福祉研究所, 准教授 (30358816)
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研究分担者 |
小川 誠二 東北福祉大学, 感性福祉研究所, 教授 (00358813)
河地 庸介 東北福祉大学, 感性福祉研究所, 講師 (20565775)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | fMRI / EPI / 高速MRI画像法 |
研究実績の概要 |
現在、脳機能研究で、最も多く使われているMRI測定シーケンスはEPI(Echo Plannar Imaging)で、時間分解能(サンプリング周期)は1-3秒であり、主にBOLD(Blood Oxygenation Level Dependent)信号を測定対象にしている。しかし、直接神経活動の時間情報を得ることが困難である。脳機能を理解するためには、ダイナミックな特性を得る必要があり、神経電流、シナプスなどの神経活動に伴う速い信号の計測が可能な超高速MRI測定方法の開発が求められている。今年度は研究計画に従って超高速MRI測定のためのMRI測定シーケンスの作成に取り組んだ。また、画像再構成においてはテスト用の簡易プログラムを作成した。さらに、得られた画像信号の特性の検証をも行った。まず、MRI測定シーケンスの作成においては通常の測定シーケンスからphase-encoding ステップを省略するものを作成し、測定時間を短くした。画像再構成においてはkey-hole法を用いて簡易的なテスト用のプログラムを作成した。通常のMRI画像と異なることは時系列的なデータを収集する場合画像の信号強度が異なることがあるのでその違いを補正する必要があり、補正における特性の変調の影響をしらべるため、さらにmulti-echo MRI測定シーケンス(今回は信号が三つ収集できるもの)を作成した。この測定シーケンスを用いてMRI実験を行った。得られた画像は横緩和時間T2*に沿った画像が得られた。ファントムなどを対象にして行われたサンプリング時間ごとの評価では二つの刺激による応答信号間の違いはないことが確認された。その他、実験の付随的な結果として刺激に対する動的信号変化には脳機能部野内の神経回路の違いに関する情報が含まれている可能性があることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の目標である測定シーケンスの作成ができた。また、画像再構成のテストプログラム作成とそれによる画像の評価として、画像信号の減衰特性に関しては予想どおりのものが得られ、目標である超高速MRI法のための画像再構成基盤をつくることができたのでおおむね順調に進展していると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画どおり進めていく。平成27年度は前年度の成果を踏まえ、MRI測定シーケンスのテストをしながら画像再構プログラムの作成を行う。Key-hole法を使った前年度のプログラムと比較しながら、単純な再構成法から検討して行く。また、脳内の神経活動に伴う速い信号の検出可能性についてもMRI実験を行いながら探索して行く。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究データ保存のための記録媒体を購入したが、値下げにより納入価格が下がった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の消耗品の購入に使用する。
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