愛媛県内の中山間地の伝統農耕と食に関する有用資源の探索を目的に、東予、中予、南予の3地区を対象に、農耕システム、雑穀遺伝資源、郷土食について現地調査を実施した。中山間農耕システムの解析では、その立地と耕地利用から山麓水田型、山間盆地型、傾斜畑地型に類型化した。戦後の土地利用と食生活の変化によって、雑穀の栽培農家戸数は減少するが、雑穀種により減少程度が異なった。現在も継代保存される雑穀品種は、地域には貴重な有用資源となっている。郷土食の調査では、多様な食材を調理・工夫した多くの料理名を整理した。また中予では「郷土食の会」とセミナーを開催して、料理とその食材、調理法、及び討議内容を記録した。
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