1930 年代から 1960 年代 までのカリブ海地域の華僑の研究を通して、いかなる生活戦略に基づいて再移民を選択するのか、その結果いかなる移動圏を構成しているか、移動者の論理を歴史的に検討した研究である。北米、台湾、イギリス、カリブ海地域で史料を調査収集し、再移民のピークは日中戦争期と1965年アメリカの移民法改正時に生じ、同じ旧英領植民地あるいは同じ英語圏へと行われたこと、そしてトリニダードの現地華僑が、イギリス式教育で身につけた英語や文化とともに、中国国民党の政治接近をも有利に用いながら、第二次大戦期と冷戦期の国際政治社会の中で生き抜く姿を論じた。成果は国内外で発表、活字化した。
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