研究課題/領域番号 |
26360019
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研究機関 | 島根県立大学 |
研究代表者 |
江口 伸吾 島根県立大学, 総合政策学部, 教授 (20326408)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 大衆路線 / 現代中国 / ガバナンス |
研究実績の概要 |
平成26年度は、初年度の研究目的として、当該研究に関連する文献資料を精読し、主として研究状況の論点を整理することに主眼を置いた。とくに、平成26年度は、『郷鎮論壇』等の中国国内の学術雑誌、『党的群衆路線与中国特色社会主義理論』(2014)・『党風廉政建設和反腐敗工作文献実用全書』(2014)等の書籍資料、『人民日報』『光明日報』『環球時報』等の新聞資料を収集・精読し、本研究に関連する基礎的な研究状況を整理した。 また、海外でのヒアリング調査では、北京において、「群衆路線」に関する研究者のレクチャーを受けることによって、上述の資料整理から得られた本研究における諸論点との異同を確認した。とくに、「群衆路線」に関して、中国共産党が歴史的に実施してきた政策と習近平政権が進める政策との異同やその政治社会的背景の変化について意見交換を行った。 さらに、平成26年度は北京大学・復旦大学において客員研究員として研究活動を実施し、この機会を通して研究者の国際的ネットワークの構築を進め、平成27年度以降の研究活動の基盤を築くことができた。 以上の研究活動を踏まえて、その成果の一つとして、現代中国政治に関する研究状況に関して、「菱田雅晴編著『中国共産党のサバイバル戦略』三和書籍、2012年(書評)」(単著、『中国研究月報』Vol. 68 No. 12、2014年12月)を公表した。本稿では、中国共産党が、改革開放期において一党支配の政治体制を維持しながら、社会構造の変化に対して柔軟に対応した一方、政治社会の亀裂の拡大がこれまでの対応を難しくしている側面を指摘し、近年党が大衆との関係の再構築を目指す背景を論じている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度は、初年度の研究目的として、当該研究に関連する文献資料を精読し、主として研究状況の論点を整理することに主眼を置いた。とくに、平成26年度は、『郷鎮論壇』等の中国国内の学術雑誌、『党的群衆路線与中国特色社会主義理論』(2014)・『党風廉政建設和反腐敗工作文献実用全書』(2014)等の書籍資料、『人民日報』『光明日報』『環球時報』等の新聞資料を収集・精読し、本研究に関連する基礎的な研究状況を整理した。 また、当該年度は、海外でのヒアリング調査を行う一方、研究者との交流・ヒアリングを通して、研究者の国際的ネットワークの構築を図ることを目的の一つとして掲げている。北京大学・復旦大学において客員研究員として研究活動を実施し、この機会を通して研究者の国際的ネットワークの構築を進め、平成27年度以降の研究活動の基盤を築くことができた。 以上の研究活動を踏まえて、その成果の一つとして、現代中国政治に関する研究状況に関して、「菱田雅晴編著『中国共産党のサバイバル戦略』三和書籍、2012年(書評)」(単著、『中国研究月報』Vol. 68 No. 12、2014年12月)を公表した。 以上の理由から、平成26年度の研究活動は、その所期の目的を達成し、おおむね順調に進展した。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は、海外でのレクチャーの受講・ヒアリングを行い、その研究成果の発表を行う。 (1)平成26年度と同様、『郷鎮論壇』(民政部)、『社区』(民政部)、『改革内参』(国家発展和改革委員会)といった雑誌資料、並びに『人民日報』『新華日報』等の新聞資料、その他の新しく刊行される文献資料を精読し、逐次研究状況を確認する。また、国内での資料収集も継続的に実施する。(⇒設備備品費、消耗品費、国内旅費) (2)これと並行して、申請者の分析方法を問い直す作業を行う。その際、島根県立大学北東アジア地域研究センターを通して、資料収集、方法論・事例研究に関するヒアリング・ワークショップを開催する。 (3)ヒアリングの議論の上に、8~9月にかけて、前年度の調査を踏まえて、再度中国でレクチャーの受講とヒアリングを行う。また、可能であれば、北京市、上海市といった東部沿海地域の実地調査、並びに資料収集を行う。(⇒外国旅費、謝金) (4)以上の研究活動を整理し、平成27年度の研究成果を公表する。(⇒その他)
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