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2016 年度 実施状況報告書

東アジアにおける戦間期の秩序とソ連の極東政策:外交官と軍部、中央と地方

研究課題

研究課題/領域番号 26360020
研究機関広島市立大学

研究代表者

シュラトフ ヤロスラブ  広島市立大学, 国際学部, 准教授 (30726807)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード日露・日ソ関係 / 外交史 / 軍事史 / ロシア研究 / アジア研究 / 一次史料 / 比較分析
研究実績の概要

2016年度、研究実施計画に基づいて、日本及び海外の学会に積極的に参加し、フィールドワークと資料調査を実施し、研究成果を国内外において発表した。岩波書店『ロシア革命とソ連の世紀』のプロジェクトに参加するようになり、2016年5~7月に研究会を重ね、「ロシア革命と極東の国際政治」という原稿を準備し、これまでの調査に基づいて、日露関係から日ソ関係への転換過程を徹底的に分析した。8~9月、モスクワで史料調査を実施し、ハバロフスクとニコラエフスク・ナ・アムーレで現地調査を行い、「尼港事件」の現場を視察し、現地の研究者と面談して史料を集め、日露・日ソ関係の地方アクターに関する貴重な情報を得た。10月、千葉で開催された日本国際政治学会にコメンテーターとして参加し、日本外史資料館で調査を行った。11月、『ロシア史を知るための50章』に投稿した論文が刊行された(明石書店)。
2016年12月、ロシアの研究者と一緒に企画した国際会議がモスクワで開催され、日露両国から多くの専門家が参加し、日本とロシアにおける様々な改革などを比較分析する貴重な機会となった。この会議で“The Rise and Fall of a ‘Great Power’ ”という報告を行い、20世紀前半の日露・日ソ関係などについて論じた。同12月、“V.L. Kopp and Soviet Policy Towards Japan after the Basic Convention of 1925”という論文、2017年2月、「1920年代半ばにおける日ソ関係――基本的な方針・アプローチをめぐるソ連側の議論」という論文が刊行された。
前年度に続き、本年度も、国内外において様々な形式で研究成果を発表することができて、最終年度の成果発表に向けて準備に着手した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

以上のように、代表は、本年度特に日ソ関係が発動した時期に焦点を当て、ロシア革命前後と、1920年代前半の主要な政治アクターに着目し、ソ連の極東政策に関わった主要な外交官、軍部、共産党の関係者の対日・極東政策観の形成と変動を追究した。とりわけ、1917年11月に政権を取ったボリシェヴィキはどのように東アジアにおける政策に着手したのか、どのように日本にアプローチしたのか、「革命外交」と「国益重視」を論じたあらゆるアクター間の議論はいかなる形で展開されたのか、地方(極東共和国など)と中央(外務人民委員部や政治局)の対日観の実態を基本的に把握できた。
また、引き続き史料調査を行いつつ、日本、ロシア、欧米などの研究者と構築した研究ネットワークを活用し、これまでの調査で発掘した史料に基づき、国内外において複数の研究報告及び論文を発表した。このように、国際的な研究として進行し、来年度に実りたくさんの最終報告ができるよう、積極的な準備を進めている。

今後の研究の推進方策

2017年度は最終年度にあたり、ロシア革命から1920年代前半にかけての日露・日ソ関係に関する論文を刊行し、2017年秋に日本または国際学会において報告を行う予定である。最大の関心は、日ソ関係が発動した時期のソヴィエト・ロシアの対日政策の全体像を包括的に分析し、帝政期との連続性を明らかにし、その後の日ソ関係の変動と結びつけ、これまでの研究成果をまとめつつ、今後の研究のために問題提起をすることである。
なお、当初計画されたアメリカでの史料調査は困難であるが、日本(特に外交史料館)及びロシア(特にモスクワのロシア国立社会政治史文書館, RGASPI)において追加調査を行い、総合的な最終研究報告を完成する予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2017 2016 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 図書 (3件)

  • [国際共同研究] MGIMO大学/Association of Japonologists (Russia)(ロシア連邦)

    • 国名
      ロシア連邦
    • 外国機関名
      MGIMO大学/Association of Japonologists (Russia)
  • [学会発表] The Rise and Fall of a ‘Great Power’2016

    • 著者名/発表者名
      Shulatov Yaroslav
    • 学会等名
      One and a Half Centuries in the History of Russia and Japan: The Epoch of Great Transformations
    • 発表場所
      モスクワ(ロシア)
    • 年月日
      2016-12-22 – 2016-12-23
    • 国際学会
  • [図書] ソ連と東アジアの国際政治 1919-19412017

    • 著者名/発表者名
      麻田雅文、シュラトフ・ヤロスラブなど
    • 総ページ数
      400(共著、シュラトフ担当:第5章)
    • 出版者
      みすず書房
  • [図書] ロシア史を知るための50章2016

    • 著者名/発表者名
      下斗米伸夫、シュラトフ・ヤロスラブなど
    • 総ページ数
      400(シュラトフ担当:第14章)
    • 出版者
      明石書店
  • [図書] Russia and Its Northeast Asian Neighbors: China, Japan, and Korea, 1858-19452016

    • 著者名/発表者名
      Matsuzato Kimitaka, Shulatov Yaroslav etc.
    • 総ページ数
      222(共著、シュラトフ担当:第10章)
    • 出版者
      Lexington Books

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公開日: 2018-01-16   更新日: 2022-02-16  

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