韓国伝統社会の特徴とされてきたシャーマニズム(巫俗祭儀、占い等)が、都市化や情報化が進む現代、農村から都市部へ、地方から首都圏へと形を変えながら拡大・浸透している実態を調査した。各地で祈祷処や祭儀場を見学し、シャーマンや祭儀の依頼者へのインタビューを実施した結果、人々が格差や競争の激しい社会で負った心の傷を癒すために、目に見えない霊的なものにすがる現状が明かになった。成果は人体科学会や関連シンポジウムで報告したほか、2本の学術論文としてすでに公刊した。日本、韓国のみならず、中国、モンゴル、オーストラリアのシャーマニズム研究者にも注目され、今後の共同研究を見すえた学術交流を開始した。
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