最終年度は2014年度、2015年度と同様、国内での文献研究と東南アジアでの現地調査を行った。それを踏まえ、本年度は最終的な成果報告の公表に向けた活動も行った。 本年度は年間を通して日本国内でのツバメの巣取引や他の中華料理の高級食材や薬材に関する取引、多現場民族誌に関する先行研究の収集を行った。また夏季休業中と春季休業中にマレーシアおよびベトナムにて現フィールドワークを行い、東南アジア地域における特産品の生産や流通、消費といったテーマに関する調査を行った。特に華人系と先住民との相互交流およびそこでなされるツバメの巣を含めた特産品や観光土産の取引に関する調査を行った。それにより、ツバメの巣に限らず現在の東南アジア地域における特産品の取引に関しては、域内における多民族状況が多大な影響を与えるとともに、域外、特に中国語文化圏の消費動向やアウトバウンド観光といった多様な要因も影響を与えることが明らかになった。 以上の調査研究活動を踏まえ、本年度は日本語及び英語での論文の執筆を行った。
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