本研究は、辺疆民族(モンゴル、チベット、ウイグルの人々)に対する中華民国政府の制度や政策が、1949年の台湾撤退後どのように再構築されたのか明らかにすることを目的に調査・分析した。 この研究によって、以下のことが明らかになった。台湾に移住したモンゴル人の政治的態度は一様ではなかったが、モンゴル人社会を形成・維持しようとする試みが続けられていた。それが例えば、チンギス・ハーン大祭であった。一方、台湾の辺疆民族のなかには「中央民意代表」もいたため、中華民国政府は彼らと積極的に連絡を取って中華民国統治の正統性を主張する根拠を固めた。
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