研究課題/領域番号 |
26360033
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研究機関 | 東亜大学 |
研究代表者 |
崔 吉城 東亜大学, 人間科学部, 教授 (80236794)
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研究分担者 |
原田 環 県立広島大学, 人間文化学部, 名誉教授 (40228648)
上水流 久彦 県立広島大学, 地域連携センター, 講師 (50364104)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | セマウル運動 / 農村振興運動 / 植民地主義 / 韓国 / 台湾 |
研究実績の概要 |
研究会の実施:年度当初に日本に在住する研究者が東亜大学に集まり、研究の進め方などについて打ち合わせを行った。また10月には、それぞれの研究のため韓国に来ていた代表者、分担者でソウルに集合し、収集したデータの情報共有、検討を行った。 現地調査:セマウル運動に関する資料収集を韓国にて、主に6月、8月、10月に行った。6月の調査では、崔吉城代表、上水流分担研究者がソウルにあるセマウル運動の本部等で調査を行った。8月は崔吉城代表、上水流分担研究者がセマウルを研究している大学関係者へのインタビューを行った。10月には崔吉城代表、原田分担研究者、上水流分担研究者が韓国城南市のセマウル研修所等を訪問した。崔吉城代表が単独で4月、11月、2015年3月に単独で韓国で現地調査を行い、関係者への聞き取りを行った。これらの調査では、セマウル運動に日本統治期の政策が影響されている点について、分かれた見解が収集できた。上水流分担研究者は、安達研究協力者の支援を得て台湾に関する農村運動に関する資料の収集を台湾の図書館等で集中的に実施をした。台湾に関しては、戦前から農業経済を学び、戦後農業政策に関わった李登輝前総統へのインタビューを試みた。ただ、実際的には昨年度、インタビューの実施までにはいたらなかった。 原田分担研究者は国内調査として国会図書館において資料収集を3回行い、「日本におけるセマウル運動に関する研究文献目録」の作成を行った。 このほか、代表者、分担者が関連する内容で論文報告、研究会報告などを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
韓国においては、研究者、関係者などから十分な聞き取りが行われている。またセマウル運動本部や研究所において関連する資料収集も進んでる。国内内調査では、日本における文献整理が行われつつある。台湾については文献整理などは行われているが、実態調査、また政策立案関係者に関する調査がやや不十分なところがある。
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今後の研究の推進方策 |
台湾の政策立案に関わる部分の調査を重点的に行う必要がある。特に農村の政策に関与したと思われる李登輝前台湾総統へのインタビューを実施したい。台湾では戦後の農村振興の研究もすすでおり、関連する論文の分析を行っていきたい。韓国については現在の調査を継続することで十分な成果が得られるものと思われる。 今年度後半以降は、収集したデータや文献調査に基づいて、成果発表を意識した研究会を複数回行いたい。また関連する研究者を招聘し、研究内容の充実可をすすめていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度末に台湾におけるインタビュー調査(前総統など)を予定していたが、先方の調整がつかず、次年度での実施へと変更となり、差額が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度においては、前年度にできなかったインタビュー調査の実施を図るとともに、計画にしたがって補充的な資料の収集、代表者、分担者による検討費用として使用する。
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