本研究は、2001年に発生した地震被災地であるインド、グジャラート州の伝統工芸を事例に、大規模自然災害によって被災した地域社会の復興過程を明らかにしたものである。 ①染色品生産者は新村を建設して生産基盤の移転をはかった。②在来技術による染色品生産が「手工芸」という概念と領域に包含され、「手工芸」がグローバルに通用する記号となった。③「手工芸」が国内外の災害支援を引き寄せ、支援のネットワークをつくり新村建設の推進力となった。つまり、生産者が「手工芸」をコミュニティ資源として活用することで、国内外の支援をあつめ、復興を成功に導いたことを明らかにした。
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