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2016 年度 実施状況報告書

ジェンダー視点からの「震災復興」をめざす女性の自発的活動についての実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 26360037
研究機関岩手大学

研究代表者

堀 久美  岩手大学, 男女共同参画推進室, 准教授 (30714860)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード震災復興 / 自発的活動 / ジェンダー
研究実績の概要

本研究は、自発的に活動する女性による新しい社会創造について、震災復興にかかわる支援活動から実証することをめざしている。2年度目に行った調査結果等をふまえ、以下を実施した。
1.調査結果の分析(継続)・実証:昨年度からの継続として、調査結果を、活動の地域・社会への働きかけの成果や女性の意思決定過程への参加の状況等の観点から分析し、「女性」の活動がジェンダー視点からの「震災復興」を達成しつつあることを実証した。実証に際しては、大阪近郊で活動する女性団体及び個人を対象とした独自インタビュー調査によって得られたデータも踏まえ、女性の活動が新しい社会を創造する可能性を明確化した。また、震災経験についての記録活動に焦点化した分析から、「女性」が公的領域に参画する際の「言説の資源」に関する知見を精緻化した。加えて、女性の自発的活動がジェンダー視点からの「震災復興」を達成するための具体的方策についても検討した。
2.追加調査の実施・分析:分析の過程で、追加調査を行うことが、復興をめざす女性の自発的活動の意義を実証するのにより有効であると判断したことから、追加調査として、計7回のインタビュー調査を実施するとともに、調査協力者が報告者となるシンポジウム等に参加し、調査の拡充を図った。
3.資料収集と資料の検討(継続:関連シンポジウムや報告書等を通じた資料収集・分析を継続した。
4.研究成果の公表:日本女性学会(6月)において研究成果を発表、その後、論文としてとりまとめ発表した。また、被災地において、研究成果が、自発的活動を行う女性のジェンダー視点からの「震災復興」達成の参考とされるための報告会を開催した(1月)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

東日本大震災からの復興は未だ途上であり、研究対象である復興をめざす女性の自発的活動の意義を明確にするための追加調査を実施したことにより、次年度も引き続き、研究成果の公表を行うこととした。

今後の研究の推進方策

学会での報告と報告書の作成による、研究成果の公表を行う。ジェンダー視点からの「震災復興」を達成する活動方策の理論化については、本研究では波及効果として期待するものであり、本研究終了後も、引き続き研究協力者等と連携し、研究成果の見直しを行い、理論の精度をあげていくこととする。
また、この研究で構築した研究協力者との研究体制は、新たに実施する「女性の震災記録活動がもつ新しい社会創造に果たす役割と可能性についての実証的研究」の基盤とする。

次年度使用額が生じた理由

東日本大震災からの復興は未だ途上であり、研究対象である復興をめざす女性の自発的活動の意義を明確にするための追加調査を実施したことにより、次年度も引き続き、研究成果の公表を行うこととしたため

次年度使用額の使用計画

報告書の発行等、研究成果の公表のための経費とする。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 女性の震災記録をジェンダー視点からの防災政策に活かすには―東日本大震災後の情報発信を中心に―2017

    • 著者名/発表者名
      木下みゆき・堀久美
    • 雑誌名

      大阪大谷大学紀要

      巻: 51 ページ: 37-51

    • 謝辞記載あり
  • [学会発表] 震災復興をめざす女性の活動の課題と可能性2016

    • 著者名/発表者名
      堀 久美
    • 学会等名
      第216回神戸大学RCUSSオープンゼミナール
    • 発表場所
      神戸市役所(兵庫県神戸市)
    • 年月日
      2016-12-17
    • 招待講演
  • [学会発表] 震災復興をめざす被災地女性の自発的活動2016

    • 著者名/発表者名
      堀 久美
    • 学会等名
      岩手大学台16回地域防災フォーラム
    • 発表場所
      岩手大学(岩手県盛岡市)
    • 年月日
      2016-08-03
  • [学会発表] 震災経験を記録する女性の活動の意義と課題2016

    • 著者名/発表者名
      堀 久美
    • 学会等名
      日本女性学会
    • 発表場所
      明治学院大学(東京都港区)
    • 年月日
      2016-06-19

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公開日: 2018-01-16  

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