本研究の目的は、東アジアにおいて「出生前遺伝学的検査」が各社会にどのように導入され、普及されてきたのかについて国際比較を行い、「出生前遺伝学的検査」の受容過程を明きからにすることである。そのために、各社会の主な新聞等の言説分析、検査の規制側、提供側、利用側へのインタビュー調査を実施した。その結果、韓国、台湾では、「出生前遺伝学的検査」は、抵抗なく「新技術」として積極的な受容が見られた。日本では、受検について慎重な議論が行われ、葛藤を抱きながらも受容されつつある。これらの背景には、政策、社会的言説、ジェンダー役割などが深く関わっており、受検や障がいに関する正確な情報発信のあり方が課題となった。
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