研究課題/領域番号 |
26360042
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
申 キヨン お茶の水女子大学, ジェンダー研究所, 准教授 (00514291)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 女性大統領 / 朴槿恵 / 政治的代表性 / 韓国 / ジェンダー |
研究実績の概要 |
行政府における女性の政治的代表性について文献収集、理論研究を行った。特に女性大統領・首相についての最近の英語文献を収集、整理した。
2015年10月には、お茶の水女子大学 グローバル女性リーダーシップ育成研究機構・ジェンダー研究所が主催したシンポジウム「女性のリーダーシップと政治参画:グローバルな視点から」を企画し、6ヶ国における女性の政治的リーダーシップについて公開報告会を行った。そこで、韓国からDr. Jinock Leeを招聘し、朴槿恵大統領の象徴的代表性(市民は女性リーダーをどのように受け止めているのか)について報告していただき(報告タイトル:In Between a Strongman's Daughter and a Strong-willed Women: Unfolding Symbolic Representation of the First Female President in South Korea)、研究交流を行った。その成果を日本語・英語でまとめて刊行する予定である。
女性の政治的代表性を高めるための取り組みについて日韓比較を行った研究論文が2015年10月に出版された(タイトル:Women's Mobilizations for Political Representation in Patriarchal States: Models from Japan and South Korea, in Gender and Power: Towards Equality and Democratic Governance, Palgrave Macmillan, 2015)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2015年度の後期からソウルでの在外研究に取り組んでいるため、現地で順調にフィールドワークを実施することができた。ソウルで女性大統領に対する研究成果やメディア資料、政策評価などの韓国語資料を収集した。また、韓国の研究者らと頻繁に交流ができ、「ジェンダー政治j研究所」の研究者らの研究会に参加させてもらうこともできた。
東京のお茶の水女子大学にて、国際シンポジウムを開催し、朴槿恵大統領の象徴的代表性について報告してもらい、研究交流を行うことができた。
海外学会で報告した論文の修正に取り組み始めた。
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今後の研究の推進方策 |
2016年は、9月までソウルでの在外研究を続くので引き続きソウルでのフィールドワークを実施し、朴槿恵政権における女性政策についての分析を行う予定である。女性家族省の政策が主な対象になるが、それに限らず、大統領選挙の時に朴槿恵大統領があげたジェンダー関連の公約がどのように実施されているのかを評価する予定である。
また、2016年4月に行われた韓国の総選挙の結果を女性の政治的代表性の理論的視点から分析する。女性大統領時代に、女性の議会代表制にはどのような変化が生じたのか。ジェンダー平等は「政治の常識」になったのか、それともむしろ政治的イシューとして新鮮味を失ってしまったのか。これらの質問を選挙の結果だけでなく、選挙キャンペーン、選挙戦略、女性嫌悪的な表象といった側面を含め、選挙過程全般を総合的に取り上げ分析する。
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