研究実績の概要 |
本年は、言文一致運動の歴史を研究し、以下の3本の論文にまとめ、英語圏の研究者のために1作品の翻訳をおこなった。 1.A Pioneering Feminist with a Pioneering Writing Style: Shimizu Shikin's "Broken Ring" (Koware yubiwa, 1891), New Directions, 2015年3月31日。言文一致運動をジェンダーの面からとらえる目的として清水紫琴の画期的な口頭文体(「会話文」)と女権論思想について論じた。 2.Shimizu Shikin's "Broken Ring" (Koware yubiwa, 1891) , New Directions, 2015年3月31日。清水紫琴の女権論を表すパイオニア的な短編小説「こわれ指輪」を翻訳した。 3. The Impact of Colloquial Writing by Japanese Women Writers in the 1890s, 口頭発表, International Seminar on Comparative Literature and Translation Studies, Jadavpur University, Kolkata, India, 2015年1月4日。明治中期ほど早く女権論を主張した女性小説家清水紫琴の「こわれ指輪」は国際的な意義があると口頭発表で議論した。 4. 「必要は発明の母:清水紫琴の短編小説「こわれ指環」の革命的談話体と明治期女性読者層の識字能力」、口頭発表、第14回情報保障研究会、2015年3月28日、名古屋市。情報保障とリテラシーの運動史の中で清水紫琴は会話に近い口頭性(orality)のある、読みやすい日本語を発明したと議論した。
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