研究課題
1.熊本県薬剤師会との共同研究による副作用発現の性差に関する検討熊大薬学部育薬フロンティアセンターと県下の保険薬局の情報ネットワークを活用して、日本薬剤師会Drug Event Monitoring事業(医薬品安全対策と薬局薬剤師の職能向上を目的として、毎年特定の対象医薬品を処方された全患者の副作用症状に関して薬剤師が直接聞き取りをするエビデンスの高い副作用実態調査)の結果を、性差を軸に再解析した。H28年度には、長短時間型睡眠導入剤の副作用発現には性差を認めないこと、高齢者ではトリアゾラムの自己調節(過量服用)リスクが高いことを論文発表した。2.生活習慣病の発症進展に関わる遺伝的・非遺伝的要因の性差、並びにその病態解析に関する検討人間ドック受診者、糖尿病患者、心カテーテル実施者を対象として、軽症から末期までの生活習慣病患者を比較検討した。本研究では、チトクロームP450 2C19(CYP2C19)の遺伝的欠損(PM)が、女性でのみ細小血管障害(冠動脈微小血管障害:CMVDや糖尿病性網膜症)の危険因子となることを初めて報告したが、H28年には、その病態がエポキシエイコサトリエン酸(EET:アラキドン酸からCYP2C19によって生成され、細小血管において抗炎症作用を発揮する)の生成に起因するという我々の仮説を、CMVD患者と健常対象者のCYP2C19PM頻度とEET代謝物濃度比較により証明した。他に性差を認めない遺伝的要因として、アルデヒド脱水素酵素 2欠損アレル(ALDH2*2)が、冠攣縮性狭心症とST上昇型急性心筋梗塞の危険因子となること、またALDH2*2はγグルタミルトランスフェラーゼ高値群で非アルコール性脂肪性肝炎の危険因子にもなること、肝細胞核因子1αの遺伝多型が、非肥満者の血糖コントロール不良や糖尿病性網膜症の発症に関係すること等を論文発表した。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (12件) (うち査読あり 12件、 謝辞記載あり 4件、 オープンアクセス 2件)
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