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2017 年度 実施状況報告書

コロニアリティ、人種、ジェンダー:プエルトリカンのジェンダーと米国フェミニズム

研究課題

研究課題/領域番号 26360050
研究機関岩手県立大学

研究代表者

三宅 禎子  岩手県立大学, 高等教育推進センター, 教授 (30305271)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2019-03-31
キーワードヒスパニック / コミュニティ活動 / 教育 / 貧困 / 健康 / ボストン / プエルトリコ人
研究実績の概要

マサチューセッツ州ボストンにおいて、現地調査を実施した。18世紀ボストンは海洋貿易の中心地として栄え、19世紀のアメリカの工業化を担い、多くの移民を受け入れてきた多様性を持つ都市として発展してきた。もともと多様な人々からなる社会としての歴史を持つ地域であるが、昨今はアジア人およびヒスパニック系の人口増加率が飛躍的に伸びている。ここ20年ほどでアジア人およびヒスパニック系の人口増加率は倍増しており、それに伴いボストン市内の人種住み分け地域も大きな変化を遂げている。ボストン公立図書館では、都市の人種構成による居住地域の歴史的変遷の特集資料を組んでおり興味深い資料を入手した。
ボストン地区には、プエルトリコ人コミュニティのvilla victoria がコミュニティ運動を通してジェントリフィケーションに抵抗し、コミュニティ活性化に取り組んでいる。教育サービスなどを通して貧困問題の解決に取り組んでいる。コミュニティでは教育サービスとしてカレッジ案内などのサービスも開始されており、コミュニティ活動が洗練されてきてる様子が観察された。また、コミュニティ地区にあるプエルトリカン・レストランも以前より大きくなりコミュニティ以外からも多くの客が訪れるようになっていて興味深かった。
ボストン地区は学術都市でもあり、大学などが地域活性化としてコミュニティ活動に関わり、プエルトリコ人女性たちの健康問題などにも取り組んでいる。貧困問題解決策としての教育の分野、健康問題での女性たちの取り組みが活発であり、参考となった。当然そのようなリーダーシップはスペイン語が必要となってくるためヒスパニック系女性たちが担っているが、その取り組みはプエルトリコ人コミュニティにとどまらず、他のスペイン語系移民の間にも広まっている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ボストンへの移民の歴史的な流れの中でプエルトリコ人の移民の歴史は大きな意味を持つ。多様な人々への受容の点で、プエルトリコ人コミュニティの活動はそれなりの成果をあげてきた。特に女性リーダーシップが発揮された教育、健康の分野での取り組みは他のエスニックグループへの参考となる点も多い。ただし、この点を理解していくためには、アメリカ全体での多様性受容の様態の認識が必要となる。特に新大統領以降、多様なエスニックグループの存在に対するヘイトクライムの増加など、想定外の事実が新たに顕著になっているため、その点の分析などに時間を要した。

今後の研究の推進方策

アメリカ全体の多様性受容の問題を意識しつつ、プエルトリコ人女性のアメリカ社会における位置づけ、他のエスニック・グループとの関係および相違点に焦点を当てて研究を深める。来年度以降は特にアメリカ社会とプエルトリコとの関係に焦点をあてて研究を進める。

次年度使用額が生じた理由

研究内容の整理が遅れ、国際学会発表などが実施できなかった。次年度、プエルトリコ現地調査で使用する。

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公開日: 2018-12-17  

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