本研究は、東京朝日新聞社初の女性記者であった竹中繁(1875-1968)の活動に焦点を当て、彼女が日中女性の交流の歴史において果たした役割を検証するものである。竹中繁は、1926年から27年にかけて中国を旅行した。まず神戸から船で大連に渡り、そこから中国の主な都市、ハルピン、北京、天津、済南、青島、上海、南京、蘇州、そして香港などをめぐった。 本研究は主として、竹中繁が中国旅行中ほぼ毎日記録した日記の分析を通じて、日本と中国の女性の交流において果たした特異な役割を分析した。竹中の日記に詳しい注釈を付し、本研究の成果として2017年度に刊行する予定である。
|