研究課題/領域番号 |
26360053
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研究機関 | 津田塾大学 |
研究代表者 |
高橋 裕子 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (70226900)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | セブンシスターズ / 女子大学 / アドミッションポリシー / LGBT / トランスジェンダー / 高等教育 / ネットワーク / ジェンダー |
研究実績の概要 |
平成28年度は、夏期にウェルズリー大学、スミス大学、マウントホリヨーク大学で古文書館を中心にリサーチを実施した。特に、ウェルズリー大学においては、入学式に当たるConvocationやその前後のオリエンテーションプログラムに出席することができ、得るものが多かった。 5月には、日本学術会議法学委員会「社会と教育におけるLGBTIの権利保障」分科会主催のシンポジウム「教育におけるLGBTIの権利保障―現状と課題」で「アメリカの大学におけるLGBTIの権利保障」というタイトルで報告を行った。 また10月には、2015年12月に開催されたジェンダー史学会年次大会シンポジウム「制度のなかのLGBT-教育・結婚・軍隊」での報告を纏め、『ジェンダー史学』第12号(5-18頁)に「トランスジェンダーの学生をめぐる入学許可論争とアドミッションポリシーー21世紀のアメリカにおけるセブンシスターズの女子大学を中心に」として発表した。 さらに、2017年2月25日に日本女子大学人間社会学部学術交流研究事業主催シンポジウム「『多様な女子』と女子大学ートランスジェンダーについて考える」に招かれ、「米国の女子大学とトランスジェンダー学生受け入れを巡ってーセブンシスターズを中心に」と題して報告を行った。『ジェンダー史学』に収録した報告は、改訂を加えて、青弓社から出版される『教育とLGBTI』にも所収すべく、2月に入稿した。 2015年度、イギリス女性史研究会主催の国際シンポジウムでコメンテーターを務めた報告についても、9月に「女子教育の国際的ネットワークの歴史化と3つのジレンマ」として、当該研究会誌『女性とジェンダーの歴史』第4号に寄稿した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ウェルズリー大学においてタイムリーな調査を実施することもできたことに加え、研究会や学会等で報告した内容を学会誌等にも寄稿することができた。 また、21世紀に女子大学が果たしている役割や影響力をトランスジェンダー学生の受け入れという角度から検討、考察をする意義は大きい。その点を見据えながら、女子大学におけるリーダーシップ教育の現在と歴史的経緯について引き続き検討を加えていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、3年に1度開催されるバークシャー女性史会議にも出席し、新たな情報を収集してくる予定である。夏期休暇にはブリンマー大学での調査も計画している。 また、トランスジェンダー学生の受け入れや支援等についてさらにリサーチを進め、女子大学が果たしている新たな役割についても探っていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
最大の理由は、海外出張が予定より少ない回数で推移しているため。
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次年度使用額の使用計画 |
国際学会に出席することと、リサーチに海外出張を実施する計画がある。
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