研究課題/領域番号 |
26360054
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
山森 亮 同志社大学, 経済学部, 教授 (90325994)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | フェミニズム / ベーシック・インカム / オーラル・ヒストリー / 社会運動 / 福祉権 |
研究実績の概要 |
2016年7月に韓国・西江大学で開催された、Basic Income Earth NetworkのBiennal Congressの招待講演にて、研究の中間成果に基づく報告を行った。 2016年8月に、イギリス・ケンブリッジ大学にて、Lucy DeLapさんと打ち合わせを行った。彼女は、British Libraryによる1970年代フェミニズムについての大規模なオーラル・ヒストリー調査に関わっており、その経験を踏まえて、当該研究の今後の進め方について貴重なアドバイスを頂いた。またケンブリッジ大学などでの研究活動の経験から、これまでの研究成果のフレイミングについての助言を頂いた。さらに、女性解放運動や女性たちによるコミュニティ活動への参加者に対する聞き取り調査、当時の運動資料についてのアーカイブ・ワークを行った。 これまでの研究から、当該運動は、ヨーロッパ諸国や北米諸国の様々な社会運動と密接に関連していたことが明らかとなってきたため、フィンランドにて、当時の女性解放運動やベーシック・インカム運動についての聞き取り調査を行った。Jan Otto Andersenさんからは、フィンランドにおけるベーシック・インカム要求が、イギリスを含むヨーロッパ規模の運動や知識の交流のなかで生じたことについて、貴重な証言を得た。 これらの打ち合わせ、アーカイブ・ワーク、聞き取り調査などを踏まえて、帰国後、それらのテープ起こしや整理、研究執筆を行った。 2017年3月に台湾・國立政治大學で開催された、The first Asia-Pacific conference for basic income にも招待されていたが、都合によりスカイプにて、本研究の中間成果に基づく報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究申請時には、研究成果の公表については、研究期間の後半や研究期間終了後に行うつもりでいたし、公表した成果が、学界でどのように受けとめられるかについては、一定の期待や自負はあっても、確実なことは分かっていなかった。幸い、研究が順調に進んだこともあって、早期に部分的な成果を国際会議や英文学術誌にて公表することができ、学術賞を頂いたり、国際会議などで招待講演を行うこととなった。研究期間前半の段階で、このような肯定的な反響を頂いたことは、望外の喜びであり、引き続き研究を継続していく上での励みとなっている。
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今後の研究の推進方策 |
勤務先の学期外期間などを利用して渡英し、引き続きオーラルヒストリーのためのインタビュー調査や、アーカイブワークを行う予定である。
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