研究課題/領域番号 |
26360056
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研究機関 | 甲南女子大学 |
研究代表者 |
増田 のぞみ 甲南女子大学, 文学部, 准教授 (80449553)
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研究分担者 |
東 園子 大阪大学, 人間科学研究科, 招へい研究員 (40581301)
谷本 奈穂 関西大学, 総合情報学部, 教授 (90351494)
山中 千恵 仁愛大学, 人間学部, 准教授 (90397779)
猪俣 紀子 茨城大学, 人文学部, 准教授 (20734487)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | テレビアニメ / ジェンダー / ナショナリズム / マンガ |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、本研究グループがすでに作成した戦後日本で放映されたテレビアニメ作品のデータベース(1963年から2010年までの全作品)をもとに、少女向け/少年向けテレビアニメにおける自国(自己)表象/他国(他者)表象とナショナリズムとの結びつきを明らかにすることである。 2015年度は、テレビアニメが戦後日本における「少女文化」「少年文化」の形成にどのように関わってきたのかを明らかにするため、「少女向け」「少年向け」「大人向け」と大きくジャンルを分け、カテゴリごとに比較考察する作業を進めた。その結果をまとめた報告として、11月28日に行われた中部人間学会(於・仁愛大学)にて、「日本におけるテレビアニメ放映データの分析――「少女向け」「少年向け」「大人向け」作品の比較より」と題した研究発表を行った(報告者:増田のぞみ)。 また、これらのデータのなかでも、とくにテレビアニメ作品に描かれる時間の設定に注目した分析を行い、2015年8月29日に開催された「社会の芸術フォーラムシンポジウム01 :過去の未来/未来の過去――アニメ・まんがの50年史」(於・東京大学)にて、「未来は誰のものか――日本のテレビアニメを事例に」という報告を行った(報告者:東園子)。 さらに、多くのテレビアニメの原作媒体となるマンガにも注目し、とくに本研究テーマと関連する「外国」表象について分析を行った。その成果として、『甲南女子大学研究紀要 文学・文化編』第52号(2016年3月)に、「少女マンガ雑誌における「外国」イメージ:1960~1970年代の「週刊マーガレット」分析より」と題した研究論文を発表した(執筆者:増田のぞみ・猪俣紀子)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2015年度は、本研究グループのテレビアニメデータベースの分析において最も重要な項目となる「少女向け」「少年向け」「大人向け」というジャンル分けを行う作業を進めた。放映時間帯や原作媒体、主人公の性別や年齢など、どういった条件でカテゴリを分けていくかについて複数回の議論を重ねた。 年度内に共同研究者との研究会を合計11回開催し、データの分析のほか、データのチェック作業なども行った。本研究課題は、当初の研究計画に従って、おおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
2016年度は、引き続き、各カテゴリ(「少女向け」「少年向け」「大人向け」)ごとの分析作業を進めるほか、ナショナリズム論の再検討、主要な作品の内容分析を行う作業にも着手する。それらの研究成果をまとめ、研究論文の執筆、学会等での研究報告を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2015年からの繰り越し金額が発生しているのは、分析の精度をより高めるために引き続きデータのチェック作業を進め、また新たなデータの入力を依頼するために、2016年度により多くの予算を執行する必要が生じたためである。
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次年度使用額の使用計画 |
2016年度の研究費については、データチェックや新たなデータ入力作業に関わる謝金のほか、研究会の開催、研究成果の報告に関わる旅費、研究成果報告書の印刷代などに用いる予定である。
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