研究課題/領域番号 |
26360062
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
香坂 玲 東北大学, 環境科学研究科, 教授 (50509338)
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研究分担者 |
酒井 暁子 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 教授 (20344715)
冨吉 満之 久留米大学, 経済学部, 准教授 (20506703)
徳山 美津恵 関西大学, 総合情報学部, 教授 (80363951)
柴崎 茂光 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (90345190)
大野 智彦 金沢大学, 法学系, 准教授 (30531884)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 世界農業遺産 / ジオパーク / 世界遺産 / エコパーク / 生物多様性保全 / 地域運営 / 能登 / 糸魚川 |
研究実績の概要 |
北陸地域を中心とする能登地域の世界農業遺産、糸魚川市の世界ジオパークを含む各地の認定地域の協議会及び認定に係る取り組みに関係する行政、企業、研究機関等の主体の構成について調査を行った。成果は最終年度も継続して国際雑誌並びに国内外の研究者と共著論文を発表した。特に能登等では、地域認定を活用した取り組みを推進するうえでの主体間の連携状況に着目し、認定前後での変化や、市町内/間の連携状況について定量的に解明することができた。その結果、市町の行政界を越えた連携や、異なるセクター間での連携は、基本的に困難さをともなうが、認定を契機として連携が開始されているケースもみられ、地域連携を促進する方策としても、地域認定が活用可能であることが示唆された。結果のなかで、特に連携の実態解明には行政ニーズも高く、県庁や地方自治体等との意見交換で有効であることが把握された。また学生も参画する形での調査の実施により、学会と地域社会で幅広い成果の発信が可能となった。 地域認定に対する観光客の認知度や、住民が感じている認定の効果についても同時に調査、分析を行った。世界遺産と比較した世界農業遺産の知名度の低さや、観光面における認定の効果がジオパーク等において比較的感じられていない状況が解明された。特に、地域認定は教育面での効果が期待されているものもみられ、長期的には産業振興につながる担い手の育成、教育プログラムの開発等が課題として見出された。地域認定を活用し、観光振興を行う主体と、住民や観光客等の主体間で認識のずれは想定されるものの、生物多様性保全、生業の継承等の地域認定のコンセプトを多様な手段によって共有すること等により、認定に関わる地域内外の主体間での情報、意識の共有が図られ、地域間/内連携を促進できる可能性が把握された。
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