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2016 年度 実績報告書

高等教育機関における観光教育のあり方に関する国際比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 26360064
研究機関和歌山大学

研究代表者

山田 良治  和歌山大学, 学内共同利用施設等, 理事 (00135831)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード観光教育 / サービス経済化 / 職業重視主義 / ジェネリックスキル
研究実績の概要

前年度までの研究において、観光教育の本来的な学際性の意義を分析するとともに、職業重視主義への回帰とでもいうべき傾向を指摘した。最終年度に当たる2016年度では、その背景として観光をめぐる社会経済状況の変化との関係を探りつつ、研究活動で得た成果の全体的総括を試みた。
観光学は、観光の発展に伴う実践的な教育研究領域として生成してきた経緯から、当初より職業教育に直結した実学的性格を強く持っていた。学術的なアプローチは、経済学や社会学など、既存の領域からの参入で構成される学際性を特徴としたが、これは反面で自立的な「学」としての脆弱性を伴うものであった。固有のメソドロジーの存在・発展という伝統的な領域のあり方に習い、観光学もまたそのような固有の理論的発展が志向されたが、それは明確な形をとるに至らず、その背景の中で職業重視・現場重視の実践的教育が改めて前面に登場しつつある。
これを背後から規定した経済構造の変化という点では、サービス経済化という大状況に集約することができる。農業や工業のような縦割り的な伝統的産業構造とは異なり、観光を含むサービス経済は、すべての産業と横断的に関わるという意味での普遍性を持っており、同時に不断に流動的な領域でもある。ここから、職業重視が特定の職業を志向するというよりは、汎用的なジェネリックスキルの獲得を目指すという、ある意味でのディレンマが生じている。社会的実践は具体性を強く持つが、普遍的な知識と能力の獲得は具体性を横断する理論的能力の発展と結びつけられる必要が生まれている。比喩的な言い方をすれば、「PBL」は「座学」と結びつけられねばならない。高等教育としての観光教育の発展が必要とされる所以である。
本年度は、これまで行ってきた以上の研究を集約し、「観光学と観光教育」(山田他編著『ここからはじめる観光学』(ナカニシヤ出版)として公表した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 勤労者目線で現代の観光を考える2016

    • 著者名/発表者名
      山田良治
    • 雑誌名

      住宅会議

      巻: 98 ページ: 49-52

  • [図書] ここからはじめる観光学2016

    • 著者名/発表者名
      山田良治・大橋昭一・神田孝治編著
    • 総ページ数
      226
    • 出版者
      ナカニシヤ出版

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公開日: 2018-01-16  

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