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2015 年度 実施状況報告書

日本の島における「新しい観光」:持続可能な観光発展の検討

研究課題

研究課題/領域番号 26360065
研究機関広島大学

研究代表者

フンク カロリン  広島大学, 総合科学研究科, 教授 (70271400)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード観光 / 島 / 瀬戸内海
研究実績の概要

研究の論点や枠組みの検討:日本語、英語、ドイツ語の文献・資料を収集し、「島」という限られた空間における持続可能な観光、「新しい観光」と言われる観光形態と、観光分野におけるイノベーションに関連する研究の論点を引き続き整理した。27年度の事例地域として屋久島、宮島ととびしま海道(広島県)を設定した。
事例地域についての現地調査:事例地域としてエコツーリズムが盛んな屋久島(鹿児島県)について27年度に観光者、観光事業者、そして住民に対するアンケート調査を実施し、現在、その分析を進めている。住民と観光事業者に対してはエコツーリズムの概念についての理解や観光発展についての考えを把握し、観光者の場合、動機や満足度について把握した。
とびしま海道沿いの島々(広島県・呉市)について、27年11月に観光者を対象にアンケート調査を実施し、また、観光協会と海道の連携を図る組織に聞き取り調査を行った。先行研究(2006年の調査)と今回のアンケート結果を比較すると、呉市の観光イメージである「大和」「海軍」は依然として変化していないことがわかった。このことから、合併から10年たった今でも、「呉市」というブランドの中に「とびしま海道」を含む合併諸地域は意識されていないといえる。2月に、とびしま海道における自転車観光のポテンシャルを測るために外国人と日本人によるモニターツアーを実施した。走ったコースの魅力としては古い町並みが保存されていること、初心者でも走りやすいサイクリングコースであること、景色と自然が美しさ、料理の良さが挙げられた。また、具体的な問題点としては、英語の対応の不足、休憩する場所や商業施設の不足、レンタサイクルなど自転車の対応がないこと、交通アクセスが不便であることが挙げられた。
3月に、宮島で自然観光への関心について観光者対象にアンケートを実施し、600人以上から回答を得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定していた文献調査と3カ所の現地調査が予定通りに実施できた。
ただし、Webアンケートについては、項目作成に当たってさらに英文の文献を取り寄せ、他の調査事例を収集し、検討を進める必要があるため、28年度に実施することにした。

今後の研究の推進方策

平成28年度の研究計画
島に対する認識調査(全国):WEBアンケートによる認識調査を行う。全国で1000回答程度を目標とし、島への観光旅行実態を把握するとともに全国の主な島についてそのイメージ、観光地としての期待度、自然保護などの課題に関する知識の調査を行う。調査項目の設計はフンクが行い,調査の実施は外部委託する。
日本の島における観光発展の影響についての調査(連続):収集した資料から土地利用、景観、町並み、産業構成、人口の変化についての結果をまとめ、データーベース化する。
しまなみ海道:観光に関わる行政機関、観光産業関連者の聞き取り調査を行い、愛媛県側と広島県側の違いに注目する(生口島・大三島2回2泊)。
直島・豊島:28年度に瀬戸内国際芸術祭が行われている。それに合わせ、ボランティア・ツーリズトと地域の関わりについて、地域の視点から調査する(直島、豊島、その他瀬戸内芸術祭に関連する島2回2泊)。

次年度使用額が生じた理由

WEBアンケートによる認識調査の実施が遅れたため;直島の調査を芸術祭が開催される28年度で実施するため

次年度使用額の使用計画

現地調査:
しまなみ海道:観光に関わる行政機関、観光産業関連者の聞き取り調査を行い、愛媛県側と広島県側の違いに注目する(生口島・大三島2回2泊)。直島・豊島:28年度に瀬戸内国際芸術祭が行われている。それに合わせ、ボランティア・ツーリズトと地域の関わりについて、地域の視点から調査する(直島、豊島、その他瀬戸内芸術祭に関連する島2回2泊)。屋久島:アンケート調査の報告と結果に関連する聞き取り調査
学会発表:東北(日本地理学会秋季学術大会、中国(南京)IGU Tourism Comission pre-congress

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Innovation in Island Ecotourism in different contexts: Yakushima (Japan) and Tahiti and its Islands2016

    • 著者名/発表者名
      d’Hauteserre, Anne-Marie; Funck, Carolin
    • 雑誌名

      Island Studies Journal

      巻: 11-1 ページ: 227-244

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 島の観光空間を維持・創生するボランティア・ツーリズムの課題2015

    • 著者名/発表者名
      フンク・カロリン、宮本 雄介、張 楠
    • 学会等名
      第30回日本観光研究学会全国大会
    • 発表場所
      高崎経済大学
    • 年月日
      2015-11-29
  • [学会発表] しまなみ海道の新しい観光2015

    • 著者名/発表者名
      フンク・カロリン、許 雅琦
    • 学会等名
      日本地理学会秋学術大会研究グループ例会
    • 発表場所
      愛媛大学
    • 年月日
      2015-09-19
  • [学会発表] The role of volunteers in the management of tourism spaces and experience: examples from Germany and Japan2015

    • 著者名/発表者名
      Funck, Carolin
    • 学会等名
      EUGEO
    • 発表場所
      Budapest (ハンガリー)
    • 年月日
      2015-08-31
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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