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2015 年度 実施状況報告書

ヘルスツーリズムのエビデンス基盤構築

研究課題

研究課題/領域番号 26360068
研究機関琉球大学

研究代表者

荒川 雅志  琉球大学, 観光産業科学部, 教授 (70423738)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードヘルスツーリズム / 海洋療法 / ウェルネスツーリズム / 医療ツーリズム / ヘルスケア / 健康観光
研究実績の概要

根拠に基づくヘルスツーリズムの体系的整理の一環に、システマティックレビューの対象を旅先で行われる健康増進プログラムへ拡大し、主要な自然療法、健康増進プログラムのエビデンステーブルの構築、沖縄をフィールドとした介入試験、旅行事業化の応用可能性を研究する当研究では、2年目として初年度に収集整理したヘルスツーリズムエビデンステーブル(対象、疾患、効果別)を基にした、我が国地域特性を活かした海洋資源活用型ヘルスツーリズムプログラム作成および地域保健への応用可能性として介入試験による効果検証を実施した。プログラム作成ではアジア最大級の海洋療法施設の協力を得て海水特性(粘性抵抗、浮力等)を活かし中等度の運動強度のアクアフィットネスを開発、効果検証として地域住民を対象とした介入試験を実施し、生活体力値の向上、心理指標によるメンタルヘルス改善、睡眠改善を明らかにすることができた。リゾートホテル併設型海洋療法施設の協力を得て滞在型海洋ウェルネスプログラム利用者を対象に利用前後の心理調査結果では、肩腰の凝り、疲労度、ストレス、肌状態の項目で有意なプラスの変化が認められた。さらに、国の保健制度化が検討されている「宿泊型新保健指導」のモニターツアーに同アクアフィットネスを採用した結果では、旅の要素である楽しみながらも健康行動に結びつく効果的なプログラムであることが行動変容尺度により明らかになった。現在、検証結果の論文化を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ヘルスツーリズムは観光形態のひとつであるが新しい健康増進策としての可能性と期待もあるなかで医科学的知見に基づく区別、対象領域は曖昧な現状であった。ヘルスツーリズムの体系的整理を実施し、整理に基づいたヘルスツーリズムプログラムの研究開発、地域住民や観光者を対象とした介入試験、ヒアリング調査実施と、ヘルスツーリズム基盤構築に有益な当該分野のエビデンスを得ることができた。当初予定した計画を達成している。

今後の研究の推進方策

当初の計画どおり、平成28年度は我が国の地域特性を活かしたヘルスツーリズムのモデルプログラム開発と観光事業化に向けた検討および課題抽出をおこなう。研究フィールドは沖縄とし、沖縄の地域特性として亜熱帯、海洋、健康長寿資源、自然文化資源を活かしたモデル開発をおこなう。宿泊型新保健指導プログラム(スマートライフステイ:厚生労働省)、次世代ヘルスケア産業創出事業(経済産業省)等、ヘルスツーリズムに関係する国の政策動向も踏まえながら研究を遂行する。

次年度使用額が生じた理由

介入研究に計上の謝金人件費支出が地域民間企業との連携協力体制が順調である事由に若干少額に留まった。

次年度使用額の使用計画

次年度も引き続き介入研究が実施されるため研究遂行のための研究補助人件費に充てる予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 日本再興戦略における日本型ヘルスツーリズムの再構成、メンタルヘルスツーリズムの展開2015

    • 著者名/発表者名
      荒川雅志
    • 雑誌名

      観光研究

      巻: 27 ページ: 18-23

  • [雑誌論文] Leisure Lifestyle and Health in Okinawa2015

    • 著者名/発表者名
      Dong Erwei, Arakawa M
    • 雑誌名

      観光科学

      巻: 7 ページ: 21-31

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 水中癒し瞑想プログラムの心身健康効果―世界初LED水中可視光通信技術による水中会話指導―2015

    • 著者名/発表者名
      荒川雅志, 図師里佳, 上間英樹
    • 学会等名
      日本レジャー・レクリエーション学会第45回学会大会
    • 発表場所
      兵庫, 武庫川女子大学
    • 年月日
      2015-12-05 – 2015-12-06
  • [学会発表] 次世代ヘルスケアとヘルスツーリズム―宿泊型新保健指導試行事業における観光アクティビティ実施状況―2015

    • 著者名/発表者名
      高屋優, 荒川雅志
    • 学会等名
      日本レジャー・レクリエーション学会第45回学会大会
    • 発表場所
      兵庫, 武庫川女子大学
    • 年月日
      2015-12-05 – 2015-12-06
  • [学会発表] Health Tourism in Japan2015

    • 著者名/発表者名
      Arakawa M, Erwei Dong, Takahashi N
    • 学会等名
      3rd Annual Conference Proceedings Asia Pacific Chapter, Travel and Tourism Research Association(TTRA)
    • 発表場所
      Tokyo, Meiji University
    • 年月日
      2015-12-04 – 2015-12-06
    • 国際学会
  • [学会発表] 沖縄における医療ツーリズム, 国際医療交流の取り組み2015

    • 著者名/発表者名
      孫影, 荒川雅志, 高橋伸佳, 友利直子
    • 学会等名
      日本観光研究学会第30回全国大会
    • 発表場所
      群馬, 高崎経済大学
    • 年月日
      2015-11-28 – 2015-11-29

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公開日: 2017-01-06  

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