本研究を通じて明らかになったことは経済資本と対をなし、文化資本を生み出す「ヨコ型」のガバナンスが構想されなければならないという点にある。「ヨコ型」とは、文化資本を持つ職人や芸術家、知識人らが古民家に実際に居住しつつ、活動する姿がそれである。こうした職人や芸術家、知識人らが古民家で産業として事業を興すことが重要であるが、そのため起業家や企業の社員のノウハウや資本が不可欠となる。 職人らが古民家で「理解しあい相互協力しつつ事業化を進めていくには「主従関係でない」ヨコ型のつながりが重要である。ヨコ型の結合をコーディネートし、利害を調整、協力関係を保つ人材やNPOの存在も重要で行政の役割も無視できない。
|