研究課題/領域番号 |
26360081
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研究機関 | 平安女学院大学 |
研究代表者 |
井上 学 平安女学院大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (30469093)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 観光学 / 地理学 / 交通 / バスマップ |
研究実績の概要 |
平成26年度の研究実施計画に基づいて以下を実施した。 全国の公共交通マップを作成している団体が一堂に会し、公共交通における情報提供について考える「バスマップサミット」を平成27年2月7日に京都市で開催した(参加者192人)。おもに、バスマップを作成している団体や交通事業者、行政機関、交通関係のコンサルタント学生などの参加が主であった。交通情報に関する整備や発信状況について市民団体、交通事業者、行政機関の3者の討論や京都市交通局の公共交通情報の刷新など事例発表を通じて、互いの情報発信について必要とされる事項の共有を行うとともに、情報提供の重要性について一般市民に発信した。これによって、市民団体が作成する公共交通情報ツールの作成の経緯や作成にあたっての課題などについて、地域的な差異の研究の基礎データを収集した。 これに先立ち、近畿運輸局自動車交通部主催の「バス交通の確保・継続に向けたシンポジウム」(平成26年11月26日:奈良県桜井市)において公共交通における情報提供の必要性を講演した。これによって、複数の事業者局と公共交通の情報提供の整備に向けた取り組みを進めるにいたった。特に、高槻市交通部では駅前の交通情報案内板のデザインと新規住民に配布するバス利用ガイドの路線図を模式図から地図ベースに変更するなどの成果があった。また、京都市交通局が平成26年度に実施した公共交通の情報案内サービスの刷新についての効果測定については、アンケート調査等の了解を得た。情報サービスの刷新直後では、効果が得にくいとの判断からアンケート、聞き取り調査は平成27年の実施に変更することとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度に計画していたバスマップサミットは年度内に実施された。交通事業社と連携した交通情報の整備については高槻市交通部と共同して地図をベースにした空間性を持った路線図を作成し、駅前の路線案内情報や新規住民向けのバス利用ガイドに反映された。京都市交通局におけるアンケート調査については、交通情報の刷新後、時間をおいてから効果測定をした法がよいとの判断から次年度に実施することとした。これについては京都市交通局との協力体制がはかられているため、問題なく実施できる。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は京都市交通局が実施した交通情報の刷新についてのアンケート調査を実施し、集計・分析を行うとともに、情報のボトルネックの抽出を行う。高槻市交通部とは、平成27年に設置された交通安易情報の効果を測定するとともに、ホームページ上での情報発信の改善を実施する。之までの成果については積極的に講演会や学会等で発表するととに、論文の投稿を行う。なお、これまでの成果の一部は書籍(分担執筆)で発表するとともに7月に開催される日本モビリティマネジメント会議で発表することとなっている。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、京都市交通局の協力による交通情報刷新にかかる効果測定のアンケートを実施する予定であった。しかし、交通情報の刷新から間もないことから、一定期間の利用者の周知と認知をおく必要から効果の測定は平成27年度に実施変更することとなったためである。
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次年度使用額の使用計画 |
アンケートの実施にともなう調査員と集計にかかる人件費、アンケートの印刷費等に使用予定である。
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