研究課題/領域番号 |
26360082
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研究機関 | 追手門学院大学 |
研究代表者 |
井出 明 追手門学院大学, 経営学部, 准教授 (80341585)
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研究分担者 |
高野 宏康 小樽商科大学, 学内共同利用施設等, 研究員 (40596780)
麻生 憲一 立教大学, 観光学部, 教授 (90248633)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ダークツーリズム / 被災地 / 東日本大震災 / 福島第一原発事故 / 産業遺産 |
研究実績の概要 |
3年間に渡る研究そのものは順調に展開し、これまで一部の者にしか認知されていなかったダークツーリズムの概念と用語は、かなり広く浸透したように思われる。学術論文の発表に加えて、一般書籍や雑誌などでもダークツーリズムの話題が取り上げられることが多くなったといえる。また、ラジオやテレビを含めたマルチメディア的な広がりがあったことも生家の一つであると考えられる。メディアでの取り上げ方の一つの切り口が、東日本大震災との関係であり、当初の研究目的は十分に達成することが出来た。 一方、ヨーロッパで発達したダークツーリズムの考え方は、そのままでは日本には導入できないということも明らかになってきている。それは、悲惨な記憶や体験をどのように消化し、伝えていくのかという文化の違いそのものに根ざしており、日本型のダークツーリズムをより精緻に掘り下げる必要性があると考えられる。 復興との関係性については、震災から6年を経て、被災者の中から国や地元エスタブリッシュメントの意向とは異なる記憶の承継のあり方が模索されるようになってきており、その際にダークツーリズムの方法論が非常に有効であるとの認識が広まりつつある。 また、研究期間を通じて、ダークツーリズムがディアスポラや少数民族問題、さらには性的搾取や産業遺産における労働問題など多面的に応用できる手法であることもわかってきた。それ故、研究の最終年度では、法学・建築学・芸術学といった異分野とのコラボレーションが多くなされた。
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