平成29年度には、28年度の「おもてなし」を科学的アプローチで計量分析をした結果に基づき、女将と接客従業員(仲居)の潜在的業務能力と問題解決スタイルとの関係性を明らかにした。これまでの研究と違って、「おもてなし」を計量分析することを試みた。しかし、潜在的業務能力をどのように人材育成の場面で活用すべきなのかまでは提案できなかった。 その分析結果を持ち、国際学会・国内学会に発表し、多様な研究者との意見交換を進めた。 また、国外フィールドワークとしてハワイ日本文化センターを訪ね、「オカゲサマデ展示」「盆ダンス」などの日本固有の生活文化の姿から日本的経営の神髄を探った。そこに継承と変容の日本文化が存在することを確認した。さらに、ハワイが日本人に親近性をもつ理由を探るためにハワイ調査を実施した。もう一つハワイ調査の目的として宿泊施設(ヒルトンホテル)のマーケティング戦略と役割についてホテル関係者とインタビューすることで地域に根強い旅館ビジネスの方向性を探ろうとした。 さらに、国内フィールドワークとしては、別府の大衆温泉観光地の国際化と湯布院との棲み分けなどについてインタビュー調査を実施した。個別旅館のインタビューを継続しながら、旅館の全体の状況をより具体的に把握するために、GIS分析を試みた。また、宿泊施設の中核人材育成の方向性についても多面的な調査を実施した。
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