研究課題/領域番号 |
26370001
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
千葉 惠 北海道大学, 文学研究科, 教授 (30227326)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 実働 / 完成 / 力能 / 待機力能 / 本質 / 形相 / 質料 / 合成体 |
研究実績の概要 |
26年度はオックスフォード大学(5/18-19)で開催されたアリストテレス形而上学の学会に参加し、数分であったが私の様相存在論に基づく『形而上学』8-9巻の読み方の提案をおこなった。参加者から種々コメントをもらうことができた。D.Charles先生とは共同で検討した。この学会はC.Rapp氏の発表からZ17章の読みについて新たな示唆を得て、中心巻の全体像をつかむことができ、有益であった。この新たなアイディアはAristotle's Logikos formation of Dialectic and Ontology(OUP出版予定)に改めて組み込むことができた。ただしこの論文は他の執筆者の遅延によりまだ出版にいたっていない。 イエール大学に数日(2015.3.17-25(全旅程))滞在しD.Charles先生とアリストテレス存在論について共同研究を遂行した。『形而上学』Z4のテクストについてBonitzが理解できず、Z3に移動した部分について、そしてそれはJeagerやRoss等に受け継がれたものであったが、19世紀前半のBekker版が正しかったことを証明した。Charles先生から賛同を得た。 それからアリストテレス様相存在論をパウロの心身の哲学に応用して分析を企てた。それは7月に16万語の論文として公刊される予定である。そこでは様相存在論がどれほど思考の基礎となっているかを明らかにしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アリストテレスの様相存在論は一度ロゴス次元とエルゴン次元の分節ができてしまうと、応用力がきわめて広く高くそして強力であることを認識するにいたった。それは昨年だした英文論文の副題に用いることができた。順調であると言える。
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今後の研究の推進方策 |
アリストテレスの様相存在論の理解はほぼ確定したので、英語で論文作成することに力を注ぎたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
2015年3月17日から25日までイエール大学(アメリカ合衆国)に出張したが、清算手続きに手間取ったため。
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次年度使用額の使用計画 |
既に全額使用されている。
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