イスラーム世界を代表する哲学者であるアヴェロエスとラテン・キリスト教世界を代表する哲学者であるトマス・アクィナスの法思想に関する比較思想的研究に、研究代表者は以前から取り組んできたが、本研究課題において、ユダヤ世界を代表するマイモニデスの法諭を加えることによって、比較思想的研究に広がりと奥行きを大幅に加えることができた。現今の世界情勢において、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教の文明間対話が焦眉の課題となっているが、それぞれの一神教の神学の基盤を形作った中世の神学・哲学に関する比較思想的考察を遂行することによって、文明間対話の一つの基盤となる研究成果をあげることができた。
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