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2018 年度 実績報告書

セラーズの哲学と20世紀英米圏における実在論哲学の影響関係をめぐる研究

研究課題

研究課題/領域番号 26370012
研究機関信州大学

研究代表者

三谷 尚澄  信州大学, 学術研究院人文科学系, 准教授 (60549377)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2019-03-31
キーワードセラーズ / 実在論 / プロセス・オントロジー
研究実績の概要

研究課題であるウィルフリッド・セラーズの哲学が有する実在論的性格について、主に後期セラーズの存在論的立場を特徴づける「絶対プロセスの形而上学」に焦点をあわせて研究を行った。より具体的には、以下のような内容で研究を行った。
「絶対プロセスの形而上学」を言語哲学的な側面から分析した「主体(主語)なしの生起subjectless occurrings」と呼ばれるセラーズの発想にとくに注目し、その哲学的意義を明らかにした。後期セラーズの形而上学を対象とする研究の中でも、「主体(主語)なしの生起」にとくに注目した研究は皆無といってよい状況にあるが、「主語なし」で文章を構成することのできる日本語の特性を媒介にすることで、取り扱いの難しい(すなわち統一的解釈の困難な)後期セラーズの哲学を読み解くための視座を提供することができるのではないか、という発想がこの研究の大きな特長である。
「プロセスの形而上学」と「存在論的一元論」という二つの存在論的立場について、その相互の関係性がどのようになっているのか、を明らかにする研究を行った。両者とも、「形而上学を回避する分析哲学」の傾向を覆し、「分析哲学の手法を用いた新しい形而上学」の動向として近年大きな注目を集め、かつ、大きな成果を収めつつある分野であるにもかかわらず、両者の関係を問う研究はほとんどなされていない現状に一石を投じることを目指したわけである。本研究の大きな成果として、「主体(主語)なしの生起」という特性に注目することで、後期セラーズの形而上学を、西田や道元とった日本思想の代表的な立場との連続性のもとに位置付けることができるのではないか、という独創的な発想に十分な説得力を与えることができたと考えている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] The World in which Everything is the Self: The Philosophy of the Original Image and Pan-Self-Ism2019

    • 著者名/発表者名
      Naozumi Mitani
    • 雑誌名

      Wilfrid Sellars and Buddhist Philosophy

      巻: - ページ: 3-31

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] カントにおける生と死の倫理学2018

    • 著者名/発表者名
      三谷尚澄
    • 雑誌名

      『新・カント読本』

      巻: - ページ: 279-291

  • [学会発表] On the Elusiveness of Dogen's Ontology2018

    • 著者名/発表者名
      Naozumi Mitani
    • 学会等名
      Dogen Workshop
    • 国際学会
  • [学会発表] On the Elusiveness of Dogen's Ontology: Processistic monism with an ineffabilist turn2018

    • 著者名/発表者名
      Naozumi Mitani
    • 学会等名
      New York Workshop on the Cosmos of Dogen
    • 国際学会

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公開日: 2019-12-27  

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