研究課題であるウィルフリッド・セラーズの哲学が有する実在論的性格について、次の諸点を明らかにした。(1)「進化的自然主義」、「社会プラグマティズム」、「所与」、「真理」、「メタ言語的唯名論」、「プラグマティックな表出主義」等のキーワードに着目しつつ、セラーズの哲学をその現代的後継者たち(ミリカン、ブランダム、プライスなど)との比較・対照のもとに描き出す論文を作成・公表した。(2)セラーズにおける「プロセス・オントロジー」の理論に注目し、その枠組みを「知覚経験」や「写像」の分析に適用することによって、セラーズにおける「実在的世界」のあり方がどのような仕方で明確にされうるかを明らかにした。
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