本研究では,後期ウィトゲンシュタイン(Ludwig Wittgenstein)の洞察の核心を抽出して独自に意味についての理論(「意味のデフレーショナリー理論DMLW」)を構成し,DMLWについて次のような研究をおこないました. ①初期・中期のLW自身の見解を含めてDMLWに対立する最も有力な意味についての理論の観点からDMLWの妥当性と整合性を詳細に検証しそれによって理論的な精緻化を進めた.②現代の意味論における重要な論争がもたらすいくつかの問題についてDMLWの観点からそれらをどのように解明できるかを考察しそれによってDMLWを現代の意味の諸理論に位置づけそれらとの論理的な関係を解明した.
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