現代物理学の成果から時間論における哲学的諸問題にどのように光を当てられるかを中心に研究を進めた。形而上学的時間論における主要な立場のひとつに「現在主義」と呼ばれる立場がある。これは私たちの時間様相に対する直感ともよく合う立場である。しかし、この立場は現代物理学の立場からは受け入れがたいことを示した。この結果はAnnals of Japan Association for Philosophy of Scienceに掲載された。また、こうした成果を発展させ、時間の向きや経過といった問題にまで展開させた論文は、依頼論文として『現代思想』に掲載された。
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