• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実績報告書

働くことの意味と所得保障政策との規範的な関連性の検討

研究課題

研究課題/領域番号 26370033
研究機関高崎経済大学

研究代表者

福間 聡  高崎経済大学, 地域政策学部, 准教授 (40455762)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワードベーシックインカム / 労働の意味 / 財産所有の民主制 / AI化された社会 / 人生の意味と幸福 / 非理想理論
研究実績の概要

これまでの三年間の研究成果を踏まえ、平成29年度は引き続き、①ジョン・ロールズが構想する財産所有の民主制におけるベーシックインカムの新たな位置づけと、②AI化された社会における人生の意味と幸福についての研究を実施した。
またこれらの研究を土台にして、政治哲学において近年盛んに論じられている「理想理論Ideal Theory/非理理想理論Nonideal Theory」の観点から、「非理想理論としてのベーシックインカム」という問題にも取り組んだ。ロールズはすべての健康な成人が有意義に働く(所得を得る)ことができる状況を理想的な社会・経済状況であると考えていたが、現今や将来のグローバル化とAI化を鑑みるならば、この理想を実現することは困難であるように思われる。それゆえロールズの当初の政治的理想・理念を実現することが不可能な状況(非理想的な状況)下にあっては、彼が重視する「自尊の基礎」や「生きがいのある生」をすべての市民に保障するために、ベーシックインカムの実施が非理想理論の観点から正当化できるのではないか、という問題ついて考察を行った。この研究の結果、ロールズの政治哲学を「理想的である」として批判する論者たちに対する応答として、ベーシックインカムが「秩序だった社会」における経済・政治政策の代替案(非理想理論)として擁護しうるという結論に至った。

備考

2017年6月 The 2016 Basic Income Studies Essay Prizeを“Meaningful Work, Worthwhile Life, and Self-Respect: Reexamination of the Rawlsian Perspective on Basic Income in a Property-Owning Democracy”論文にて受賞

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Meaningful Work, Worthwhile Life, and Self-Respect: Reexamination of the Rawlsian Perspective on Basic Income in a Property-Owning Democracy2017

    • 著者名/発表者名
      Fukuma Satoshi
    • 雑誌名

      Basic Income Studies

      巻: 12 ページ: 1-10

    • DOI

      https://doi.org/10.1515/bis-2017-0011

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 人生の意味と幸福──労働の終わりにおいて2017

    • 著者名/発表者名
      福間 聡
    • 雑誌名

      地域政策研究

      巻: 20:1 ページ: 15-33

    • オープンアクセス

URL: 

公開日: 2018-12-17  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi