研究期間中において、「『鄒守益集』未収詩輯佚;内閣文庫蔵『鄒東廓先生詩集』より」(一~三)においては、江戸時代に日本に流入した『鄒東廓先生詩集』によって、中国で刊行された『鄒守益集』に収められていない詩を十万字余り翻刻したことは、学界において高く評価され、『鄒守益集』の改訂版においては、永富の成果が収録されることが決定している。 また、論文「佐藤一斎是否一個朱子学者ー従『欄外書』中的記載談起」においては、佐藤一斎が、中国から輸入された陽明学資料を基に、いかにして陽明学を理解し、陽明学の信奉者となっていったかを実証的に解明し、中日韓三国の学者に対してそれを示すことができた。
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