インド伝統医学書『チャラカ・サンヒター』(紀元後6世紀頃)への註釈書『ニランタラパダ・ヴィヤーキャー』(7世紀頃)第6編第2章第1節の校訂と英語への翻訳を完成した。また同書と同時代の他分野のサンスクリット文献とを比較し、インド医学関連の文化的状況を考察した。さらに『ニランタラパダ・ヴィヤーキャー』以外の3種の註釈文献、チャクラパーニダッタ作『アーユルヴェーダディーピカー』(11世紀)、ガンガーダラ作『ジャルパカルパタル』(19世紀)、ヨーギーンドラナータセーナ作『チャラカ・ウパスカーラ』(20世紀)の当該部分の解読・英語翻訳・比較研究を行い、インド医学理論の発展経過の一端を明らかにした。
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