研究課題/領域番号 |
26370061
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
早島 理 龍谷大学, 文学部, 教授 (60108272)
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研究分担者 |
室寺 義仁 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (00190942)
横尾 美智代 西九州大学, 公私立大学の部局等, 教授 (00336158)
長倉 伯博 滋賀医科大学, 医学部, その他 (60437142)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 医療者と仏教者の協働 / 終末期緩和医療 / 終末期医療に関する公開講座 / 死に逝く道しるべ / 生命科学の生命と生老病死のいのち |
研究実績の概要 |
本研究テーマ「緩和ケア医療チームで活躍できる実践的仏教活動者(ビハーラ僧)育成の応用研究」を達成するために、「生老病死みないのち」の視点から次の2点を具体的な目標として活動を開始した。1.ビハーラ僧を育成する大学教育プログラムを実行する。2.ビハーラ僧による緩和ケア病棟・施設でのビハーラ活動への問題点を考察し公開の場で検討する。 当該年度では、【成果1】龍谷大学における「臨床宗教師」育成コーのカリキュラムに、本研究「ビハーラ僧育成」プログラムを編入し、特別講義を開講して超宗派的な活動を視野に入れたビハーラ僧育成に取り組むことができた。【成果2】終末期緩和医療における医療者・仏教者の協働活動の重要性を広く認知してもらうために、(1)2015年9月20日、高野山大学で開催された日本印度学仏教学会第66回学術大会におけるパネル発表A「終末期緩和医療で医療者と協働できる仏教者の考察」を開いた。(2)同年10月3日、浄土真宗本願寺派安芸教区広島別院で公開講座「いのちの終わりを見つめ合う ~医療者と仏教者の対話~」を開催した。これらの公開集会で医療者(福祉関係者を含む)・仏教者・一般市民が、講演や意見交換を通して終末期緩和医療の具体的な問題点を共有し、「死に逝く道しるべ」の重要性を確認することができた。またこれらの成果を「公開講座報告書 第二篇」として刊行した。【成果3】滋賀医科大学における医学医療を学ぶ者(滋賀医科大学学生・院生)とビハーラ活動を志す者(全国僧侶ネットワーク及び龍谷大学大学院生)との合同講義(2015,11,16)、及びあそかビハーラ病院における滋賀医科大学4回生の病院実習とビハーラ活動を志す龍谷大学大学院生の病院実習を合同で実習した(2015年11月から2016年2月まで計4回)。合同講義・実習を通じて医療者と仏教者との協働の重要性を相互に確認することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
以下の研究活動を行い、概ね順調に進展しているといえる。 (1)龍谷大学「臨床宗教師」育成コースで「ビハーラ僧育成」を反映したカリキュラムを作成し、より広い範囲から「ビハーラ僧育成」を実施することができた。さらにこれまでの研究活動に基づき (2) 2015年9月20日高野山大学で開催された日本印度学仏教学会第66回学術大会におけるパネル発表A「終末期緩和医療で医療者と協働できる仏教者の考察」を行い、一般市民とインド哲学仏教学研究者とで、終末期に果たす仏教者の役割について討議することができた。(3) 同年10月3日、広島で公開講座「いのちの終わりを見つめ合う ~医療者と仏教者の対話~」を開催し、参加した300人ほどの市民と意見交換を行った。またその報告書を2016年3月に公刊し、関係者に配付した。(4)2015年11月16 日、滋賀医科大学で「終末期における医療者と仏教者の協働」をテーマにした講義を行った。医学部の学生と全国から仏教者、研究者約百五十余名が出席、班別討議と意見交換を行った。これにより、医療者と宗教者の協働の必要性と重要性を確認・共有することができた。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の主な研究計画は以下のごとくである。 1.本研究内容を広く一般市民に理解してもらいまた問題点を共有するために[1]2016年5月28日鹿児島市内で、[2]同10月1日大分県中津市内で、公開講座「終末期緩和医療を考える、―医療者と仏教者の協働―」開催を予定し、準備中である。 2. 医療者と仏教者の協働の必要性と重要性を学ぶために、2016年11月14日、滋賀医科大学において、医学医療を学ぶ者(滋賀医科大学学生・院生)とビハーラ活動を志す者(全国僧侶ネットワーク及び龍谷大学大学院生)との合同講義と研究会、及びあそかビハーラ病院における滋賀医科大学医学科4回生とビハーラ活動を志す龍谷大学大学院生との合同病院実習(2016年11月~2017年3月)を計画し、準備している。 3. 上記の公開講座・合同講義に先立ち、本科研メンバー主催での公開研究会を隔月に龍谷大学大宮学舎で開催する。第1回は5月14・15日を予定している。その成果を公開講座に反映させ、また研究成果報告書を刊行する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、学術大会パネルデスカッションや公開講座での録音のため、ステレオICレコーダーを2器購入予定していたが、いずれも会場側で準備されたため、購入を見合わせた。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度の公開講座大分県中津市の会場ではICレコーダーを必要とするため、購入を予定している。
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