今後の研究の推進方策 |
これまで蓄積してきたデータをもとに、漢字仏典写本の統合データベースの構築をおこない、現時点での最新情報を盛り込む予定である。データの精査や目録作成のため、専門的な職能を有する研究補助員をアルバイト採用し、ドイツ隊と大谷隊の収集した資料に関して、既刊目録や、従来構築してきたデータベースの合併・精査をおこなう。中国・旅順博物館所蔵のトルファン出土漢字資料(総断片数27,620点)、ドイツ・ベルリン市内所蔵資料(同6,040点)やトルコ・イスタンブル大学図書館所蔵資料(同200点)、出口常順師旧蔵資料(130点)などの関係資料を整理する。この他、2013年になって旅博所蔵資料と接合する断片が発見されたヘルシンキ国立図書館所蔵資料や、サンクトペテルブルク東洋研究所所蔵資料も、同系統の資料として併せて視野に入れ、研究成果をデータベースに盛り込み、大谷隊とドイツ隊収集資料の目録を完成させる。 ドイツの漢字資料については、最新目録の出版に向けた最終作業を加速し、2016年度中にChinese Buddhist Texts from the Berlin Turfan Collections, Volume 4(仮題)を出版する。第1巻(1,071件, 1965年)、第2巻(1,200件, 1975年)、第3巻(1,106件, 2005年)に続く第4巻として出版されるものので、ドイツ側研究者との共同研究による成果である。 また、最終年度にあたる2016年度には、これまでの研究成果を継承しながら、大英図書館・国際敦煌プロジェクト(IDP)のSusan Whitfield氏他の研究者を海外より招聘し、国際学術会議を開催して研究成果報告書としてまとめることを企図している。龍谷大学はIDP日本支局の役割を担っており、可能であれば、同サイトを活用して、上記目録やデータベースを公開する準備を進めたい。
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