研究実績の概要 |
『タットヴァ・サングラハ』(TS)の英訳については、8月下旬ー9月初旬に英語を母国語とする海外の協力者との共同作業を通じて、英訳の修正作業を行い、本文の英訳はほぼ終了した。いくつかの箇所については、なお検討中である。TSの訳注については、その内容についてさらなる検討が必要であることが判明したので、継続して行っている。 また、チベット語訳とサンスクリット語テキストの関連についても引き続き検討中である。 『ニヤーヤ・マンジャリー』(NM)については、時間の関係で、半分程度が終了したのみとなった。また、NMの写本について、平成30年3月にインドに再び赴いて、カルカッタ、ベナレスに1週間程度滞在して、研究所、大学図書館など3か所を訪問し、それぞれ写本のコピーを入手した。NMの批判テキストについては、これらを参照し、現在作成中の暫定的テキストの修正を完成させる予定である。 述語集については、これまでの研究者たちの訳語を整理する作業を行っており、訳語の決定には至っていない。 成果の発表としては、平成29年3月にハワイで行われたワークショップ Templeton International Workshop Realism/Antirealism, Omnicience and God/No-God において口頭発表したもの(Logical Structure of the Indian Proof of God) を出版準備のために原稿にし提出し、現在校正中である。この中で、特にNMの主宰神論についての論理的分析を他の文献の記述と比較しつつ行っている。 4年間では、写本の収集はほぼ予定どおり完了した。TSについては校訂テキストは作成途中であるが、英訳は上記のようにほぼ終了している。また、NMについては、校訂テキストは暫定的なものが作られた段階であり、英訳も半分程度の終了にとどまった。
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