第一の課題であった、8世紀仏教における哲学全書の性格を有する、シャーンタラクシタ、カマラシーラ師弟による『タットヴァ・サングラハ』『同パンジカー』の主宰神論については、試訳については、ほぼ完了した。校訂テキストの作成、訳注については、継続的に実施している。第二の課題としてのニヤーヤ学派側の主宰神論として重要な『ニヤーヤ・マンジャリー』については、インドへの現地調査によって必要な資料の収集はほぼ完了した。試訳段階は終了し、校訂テキストと英訳作業、訳注をつける作業が残っているが、作業を継続している。また、写本の検討により多くの文献学的かつ内容的にも問題があることが浮き彫りとなった。
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