本科研は、8世紀から現代にいたるまで、連綿として伝えられてきたチベット医学の宗教的側面について、医師の間で伝承されてきた『ユトク・ニンティク』の密教体系の哲学と実践を明らかにするものである。『ユトク・ニンティク』は、従来全く研究されてこなかったが、海外における現地調査、医師、高僧への聴き取り、文献研究により、その概要を明らかにすることができた。その内容については、11本の論文(英文2、和文9)、3冊の著書(英文1、和文2、何れも共著)、招待講演(英語2、日本語6)などをつうじて、学界および社会に発信した。このような急速な研究の進展は、科研費によって、初めて可能になったものである。深く感謝する。
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