研究課題/領域番号 |
26370076
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
曽根原 理 東北大学, 学術資源研究公開センター, 助教 (30222079)
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研究分担者 |
松本 公一 池坊短期大学, その他部局等, 教授 (60442258)
大島 薫 関西大学, 文学部, 教授 (50319604)
青谷 美羽 京都造形芸術大学, 芸術学部, 非常勤講師 (10578719)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 神仏習合思想 / 山王権現 / 聖徳太子信仰 / 大成経 / 談義所 / 延暦寺 / 成菩提院 |
研究実績の概要 |
平成27年度は、史料調査と研究成果公開の二つを実施した。 史料調査については、滋賀県米原市の天台宗寺院において、聖教史料の調査を11/22-23、3/9-11に、歴史史料の調査を6/20-21、9/3-4、12/19-20に実施した。一方、地元の東北大学附属図書館の関係史料についても、11/26に調査を実施した。 成果公開として、国際学会での発表を2度実施した。まず、6月28-30日にハイデルベルク大学(ドイツ)で開催されたワークショップ「日本史における神仏習合(Combinatory Religious Practices in Japanese History)」を同大学の「グローバルコンテクストにおけるアジアとヨーロッパ」研究チーム(代表:H.M.Kraemer)と本科研で共催した。曽根原は「聖徳太子伝説の近世的展開(Edo-period Development of Shotoku Taishi Legends)」の題目で報告を行い、他に研究分担者2名が報告、1名がコメントを担当した。次に、8/28にエアフルト大学(ドイツ)で開催された第21回国際宗教学宗教史会議世界大会のパネル「Combinatory Practices of Buddhist and Kami Worship on Mt Hiei(叡山における神仏習合)」の一員として、曽根原は「The Lineage of the Sanno Deity(山王神の系譜)」の題で発表を行った。 上記の活動を実施し継続していくための打ち合わせを、6/21・9/4(京都・池坊短期大学)、8/12・1/31・2/29(東京大学史料編纂所)、9/13(大阪)、10/3(米原・成菩提院)、10/13(京都・法蔵館)、3/9(京都・真宗文化センター)で実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本来、平成28年度に実施する予定であった海外での成果公開を、1年早く27年度に2回実施できた。それにより、今後の課題が明確になり、効果的な史料調査が可能になった。目録データの作成、個別史料の解説等作成、拠点寺院における思想状況の展開分析など、調査や作業は着実に進められている。 一方、『大成経』周辺の神仏習合思想関係調査は、資料調査と一部資料紹介にとどまり、さらに努力が必要な段階である。
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今後の研究の推進方策 |
当初掲げた二つの目標のうち、在地社会における天台系寺院の活動に即した歴史と思想の調査・分析については、平成28年度に一定の取りまとめを行い、10/29-30の日本思想史学会(於関西大学)で中間報告を実施した上で、成果刊行物を作成したいと考えている。その際に、日本の内部にとどまらず、世界の宗教の中での位置づけも検討する視野にたちたい。 近世期に神仏習合思想を発信した依田貞鎮に関する調査・研究については、なお著作の収集と分析の作業が必要であり、残った1年間で可能な限り作業を進めたい。
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