研究課題/領域番号 |
26370090
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
鷲巣 力 立命館大学, 衣笠総合研究機構, 教授 (30712210)
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研究分担者 |
小関 素明 立命館大学, 文学部, 教授 (40211825)
渡辺 公三 立命館大学, 先端総合学術研究科, 教授 (70159242)
中川 成美 立命館大学, 文学部, 教授 (70198034)
福間 良明 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (70380144)
根津 朝彦 立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (70710044)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 戦後日本思想 / 日本文学史 / 戦争 / 知識人 / 手稿ノート / デジタルアーカイヴ / 青春ノート |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、戦後日本を代表する国際的知識人加藤周一の「知の世界」を解明し、加藤の「知」のあり方から21世紀の国際化時代を生きる日本の知識人の生きる指針を学び取ることにあった。そのために加藤の多岐にわたる著作をさまざまな視点から深く読み解くこと、加藤が遺した二万冊の蔵書と1万頁を超える厖大な「手稿ノート」が幸いにも立命館大学図書館に寄贈されたことを受け、蔵書類と手稿ノート類を整理し、公開して誰にでも利用することができるようにすることを目指した。蔵書類については図書館の協力のもとに、加藤周一文庫として2016年4月に開設した。 研究目的の第一である加藤の著作を深く読み解くことについては、さまざまな視点からの研究会を重ね、公開講演会を開いた。研究会はのべ十数回に及び、加藤周一文庫を開設するにあたり記念講演会を2016年5月に開き(講師は作家大江健三郎氏、加藤の息女であるソーニャ・カトー氏)、また今後の活動につなげるために加藤周一記念講演会を毎年一回催すこととして、その第1回講演会を2016年11月に催した(講師は樋口陽一氏)。 研究目的第二の「手稿ノート」の公開については、まず「手稿ノート」の全体にわたる「データベース作り」に取り組んだ。これを完成させて、加藤理解にとって不可欠な「手稿ノート」を選び出し、これらをデジタルアーカイヴ化した。そして加藤が17歳から22歳まで書き綴った8冊の「青春ノート」をデジタルアーカイヴ化して公開することとした。このデジタルアーカイヴの特徴は、キーワード検索が可能なシステムとして構築し、これをADEACというプラットホームに搭載したことにある。しかし、デジタルアーカイヴ化されたノートをパソコン上で見るのは、実物を見られるという利点もあるが、非常に読みにくいという弱点もある。それを補うため「青春ノート」の刊行を目指し、目下、その編集を進めている。
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備考 |
「加藤周一 青春ノート」とは、加藤が17歳から22歳まで書き綴ったノート8冊を完全にデジタルアーカイヴ化したものである。このノートに加藤のその後の思想と行動の原点が見られ、その意味で貴重な資料といえる。このデジタルアーカイヴは、たんに実物のノートが拡大・縮小しながら見られるのみならず、頻出キーワード一覧、全キーワード一覧、キーワード検索という三つの方法で事象や人物を検索できるシステムとなっている。
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