研究実績の概要 |
最終年度は『ショパンによるバロック音楽の受容に関する研究』(研究成果報告書1)、及び『ユゼフ・エルスネル研究』(研究成果報告書2)を刊行した。前者には研究協力者の重川真紀「マリア・シマノフスカの『音楽帳』における18世紀音楽様式の残滓」、加藤一郎「ショパンによるオペラを通したバロック様式の受容過程に関する実践的研究―ポーランド時代―」、研究協力者の西田諭子「ショパンの多線的書法―そのピアニズムの観点から―」、加藤一郎「ショパンによるバッハ《平均律クラヴィーア曲集》の研究―ポーリーヌ・シャザレンの楽譜への書き込みの分析を通して―」、研究協力者の大迫知佳子「ショパンの後期作品とケルビーニの『対位法とフーガ教程』」、加藤一郎「ショパンによるバロック様式の受容に関する総合的研究」の6編の論文を掲載した。本書はショパンのバロック受容に関する国際的にも稀な専門的論文集となり、今後のショパン研究に大きなインパクトを与えると思われる。代表者は本研究の成果を本年9月にInternational Chopin Conference (Warsaw)で発表する予定である。また、後者はショパンの師ユゼフ・エルスネルに関する研究書Alina Nowak-Romanowicz“Jozef Elsner (monografia)”PWM (1957)の西田諭子による邦訳書(関口時正監訳)であり、ショパン研究を進展させるであろう。 代表者が研究期間全体で行った研究として「ショパンによるオペラの受容過程に関する実証的研究―ポーランド時代―」国立音楽大学大学院研究年報,28,(2016)、「ショパンとバロックの精神~スティル・プリゼの応用を通して」北海道ポーランド文化協会,(2016)、「ショパンによるバロック様式の受容過程に関する研究―ポーランド時代―」国立音楽大学大学院研究年報,29,(2017)がある。
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