本研究は、日本バレエ史上最大のメルクマールと位置付けられる「東京バレエ団」(1946年結成、1950年自然消滅)の実像を明らかにするとともに、その歴史的意義を考察することを目的としている。具体的には、(1)これまで明らかになっていなかった東京バレエ団の活動実態および上演作品を、現存資料、聞き取り調査から、その実像を浮かび上がらせること、(2)東京バレエ団の活動とその後「世界有数のバレエ大国」と称されることとなる日本バレエ界の発展との因果関係の考察、(3)東京バレエ団の結成、解散の原因ともいえる日本バレエ界の特殊性を、今日的視点から捉えなおすことである。
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