プロヴァンス地方のロマネスク聖堂において、聖人崇敬の礼拝空間の創造のための「擬古的な演出」が特に明確である作例の現地調査、記録、分析を行い、またそれぞれに関する歴史資料、発掘報告書などを収集して検討した。これら擬古的作例の研究から「過去のねつ造」の意図性が検証された。 また、初期中世からロマネスク時代までの年代判別の難しい装飾モティーフ(アカンサス、パルメット、組み紐模様など)を持つ彫刻群の調査を行い、その分析研究のために、地中海地域の広い時代にまたがった装飾に関する参考文献・図像資料を収集し、比較研究を進めた。
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