本研究は、江戸時代後期大坂において大名・豪商・文人・画家たちが、どのような文芸交流活動を行ってきたかについて、以下の3つの事例の検証を試みたものである。 1)「食野一統と八州軒に関する研究」では、唐金興隆、和田隆侯など食野一統の人物像と彼らと諸大名の関係、文人等の支援活動を検証した。 2)「柳沢伊信と西村孟清の交流に関する研究」では大坂の豪商袴屋仁右衛門の名で知られる西村孟清と大和郡山藩主柳沢伊信の書画典籍等の贈答等の実態について検証した。 3)「『楽翁画帖』(平野美術館)の調査研究」では、松平定信の下で制作された同画帖の概要とともに、それに協力した木村蒹葭堂等の活動について考察した。
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